「本を書くのは、すごい人だけ」――そう思っていませんか?
たしかに、話題性のある経営者や、圧倒的な実績を持つ著者であれば、その足跡や主張そのものが読まれる理由になります。読者が「この人の生き方を知りたい」と思うケースです。
けれども、そうした企業や人物はほんの一握り。多くの人に求められるのは、“相手目線で書く力”です。
ビジネス書・実用書は、「著者が伝えたいこと」を書くのではなく、「読者が実践できるように伝える」ことが使命。つまり、“再現性のあるセオリーを、具体的に伝えること”が大切なのです。
「自分の経験しか書けない」と感じる方も多いでしょう。しかし、その経験を“誰でも真似できる方法論”に変換してこそ、本は価値を持ちます。
成功事例を分析し、「なぜうまくいったのか」「どうすれば再現できるのか」を言語化することで、自分の思考を整理し、経営手法やマネジメントスキルを客観的に見直すことができます。
これは執筆の訓練であると同時に、経営の再点検でもあります。経験を体系化する力は、後進の育成やマニュアルづくりにも応用できますし、組織の理念を浸透させる“インナーブランディング”にもつながります。

読者の“悩み”から逆算して書く
では、どうすれば“相手目線”で書けるのでしょうか。
たとえば、中小企業の経営者がターゲットなら
・理念を社員に浸透させたいが、伝わらない
・自社の強みを言語化できず、価格競争に陥っている
・採用面で「らしさ」を伝えきれない
といった悩みがあるかもしれません。
こうした“読者のリアルな課題”を理解した上で、自社の経験やノウハウを「読者が行動に移せる形」で提示することが重要です。出版とは「自分を語ること」ではなく、「相手の悩みを解決すること」。この発想転換が、読まれる本を生む第一歩になります。
誰でも使える「S-PREP法」
次に、相手目線で“伝わる文章”を書くための構成法をご紹介します。それが「S-PREP法」です。
S-PREP法の構成
① Situation(状況・寄り添い):こんなときがありますね。○○と感じますね。
② Point(結論・結果):こうしましょう!するとこうなります!
③ Reason(理由):結果に至る理由を説明します。
④ Example(事例):説得力を持たせるための事例・データを紹介します。
⑤ Point(要点):最初の結論をもう一度まとめます。
この構成を意識するだけで、どんな人でも一流の文章が書けるようになります。とくにビジネス書・実用書は、読者が「理解して」「行動できる」ことがゴール。S-PREP法は、そのための最も効果的な道筋なのです。
たとえば、「経営理念を社員に浸透させるには?」というテーマをS-PREP法で書くと、次のようになります。
①Situation(状況):多くの企業が「理念はあるのに社員に浸透しない」と悩んでいます。
②Point(結論):トップが自らの言葉で繰り返し語り続けることが、最も効果的です。
③Reason(理由):社員は理念そのものよりも、“語る人”に共感するからです。トップが理念を物語として語ることで、社員は自分の仕事の意味を再確認します。
④Example(事例):ある製造業の社長は、毎朝の朝礼で理念をエピソードとして語り続けた結果、離職率が半減しました。
⑤Point(要点):理念を“浸透させる”とは、紙に貼ることではなく、言葉で伝え続けることなのです。
このように構成することで、読者は“共感→納得→実践”の流れで読み進められます。S-PREP法は、単なる文章の型ではなく、“読者を動かす思考法”でもあるのです。

再現性と相手目線が信頼を生む
本づくりとは、著者のためではなく、読者の人生を変えるための行為です。
相手の悩みを理解し、再現性のあるセオリーを具体的に伝える――それが、ビジネス書・実用書の本質です。
相手目線で書く。
S-PREP法で構成する。
そして、読者が実践できる“道筋”を明確に示す。
この3つを意識するだけで、あなたの本は「語る本」から「動かす本」へと進化します。
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